「公開市民憲法の会」の立ち上げについて   小長 広大

選挙も終盤に来て、結局自民党の圧勝で終りそうです。いつもながら日本人の市民意識の低さに痛感させられます。今回の選挙の争点に憲法改正が挙げられていますが、自民党の憲法草案も酷すぎますが、安倍首相の憲法改正案は更に支離滅裂です。私は安倍政権ができるまでは、憲法に関しては特に関心はなかったのですが、この傍若無人なリーダーの振る舞いを前にして、改めて憲法を読み返してみました。まず、気づいたのは、現憲法は基本的に性善説に立って書かれていることです。国民に選挙で選らばれた議員は清廉潔白で高い志しを持った国民を代表する人間であると仮定されていることです。これは全く現実に合致してません。第 99 条には憲法尊重擁護の義務が書かれていますが、改めて議員の行動規範の前提として憲法を遵守するということを罰則を含めて明記する必要があると感じました。次に、行政権の行使の範囲が広く、三権分立が維持できない恐れがあるということです。現憲法では基本的に国会で多数を占めれば総理大臣が全てを決定できるしくみになっています。ここでも選挙で選らばれた議員が民意を直接反映しているという前提があります。これではいつ独裁が生まれても不思議ではありません。立法、行政、司法の他にこれらと独立して直接これらを市民の目で監視する第四の機関(ここでは国民委員会と呼称します)が必要であると思います。最後に、憲法改正を国会議員が発議できるということです。そもそも国会議員は、憲法を遵守して、国民のための法律を作ることが仕事のはずです。憲法の下で働く人間が、自身の行動規範を変更できるということは基本的な論理矛盾です。憲法改正は、基本的にエスタブリッシュメントの側が関与するべきではありません。したがって、第 99 条で規定された者、すなわち天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、 裁判官その他の公務員を除く者のみが携われるようにしなければなりません。このためにも市民が直接関与する国民委員会が必要となります。その他、第 9 条の平和主義、選挙制度への言及、自由・公共・公共の福祉の定義、憲法裁判所の設置、行政・司法の使命とその役割の明記など変更が必要なところが次々と目に付くようになってきました。そこで、全面改訂し、その内容を広く市民の目で検証しながら市民のための憲法改正案を提示できないかと考え、「公開市民憲法の会」を立ち上げ、公開日本国市民憲法(Open Japanese Constitution for Citizen)を作ろうと決意しました。とりあえず、叩き台を作り、GitHub と呼ばれる公開レポジットリ上に上げました。ホームページ等は以下のとおりです。


詳しくは「参加の方法」を御覧ください。できるだけ多くの皆様の御参加を頂き、自民党の復刻版大日本帝国憲法ではなく、市民のための憲法を成立させるための大きなうねりを作っていきたいと思います。

  • 最終更新:2017-10-24 15:30:57

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