「大阪都」住民投票は「憲法改正」国民投票の“予行演習”!? ~過半数で”成立”の恐怖  成瀬 裕史

■「反対多数」の世論調査から「まれに見る」大接戦に

 「大阪都構想」の賛否を問う大阪市の住民投票は、17日の投開票の結果、僅差ながら「反対多数」により“否決”された。
 投票率66.83%、反対70万5,585票、賛成69万4,844票で、その差は1万741票、得票率では0.8%という「僅差」であった。

 事前の世論調査では「反対」がリードしていたが、いざ開票が始まると「まれに見る」大接戦となった。


■橋下市長と官邸との「密約」説も

 橋下市長が「改憲で安倍首相と連携」との噂がある中、
もしも、①「大阪都構想」が賛成多数で成立した場合、
②橋下氏率いる「維新の党」が来年の参院選で“躍進”、
③維新が自民・公明の与党と連携し、衆参両院で3分の2を確保し「憲法改正」を発議、
④稀代の詭弁家(?)橋下氏と国内メディアを“制圧”安倍氏がタッグを組んで国民を「煽り」、過半数を得て「改憲」が成立、
という「悪夢のシナリオ」が“現実味”を増すことになり、
現行憲法の“堅持”を願う者としては、ハラハラし通しの開票速報であった…。


■落選を怖れる国会議員への「脅し」!?

 しかし、「都構想」が“否決”となったからといって、「改憲」の動きに対し、“安心”はできない。

 そもそも、今回の住民投票は、3月13日の大阪市議会本会議で、大阪維新の会の提案に公明党が賛成し可決されたことにより実施となった。

 この公明党の賛成には、昨年末の衆院選の際、公明党議員の立候補した小選挙区に維新の党の候補をぶつけるという「脅し」に屈したという噂もある…。(実際のところ、大阪選挙区では、自・民・維の戦いはあったが、公・維の戦いは無かった。まさか、昨年末の安倍氏の「意味不明解散」の真意はここにあったのでは、とさえ勘ぐってしまう…。)

 来年の参院選においても、民主党の“退潮”傾向が続く中、例えば本音では「改憲」を志向する改選・民主党候補に「対立候補を増やさない」という“密約”を持ちかけ、当選後の「転向」により、改憲発議の3分の2を確保するという“裏技”も十分想定される。
 衆院では既に自・公で3分の2が確保されているのだから…。


■「物量作戦」による「過半数確保」に“現実味”

 また、今回の「都構想」住民投票では、維新の党は政党助成金から4億円を投入し、テレビCMやビラ、ロゴ入りTシャツなど、広報に力を入れた。
 これが事前世論調査での「反対多数」から、無党派層の過半数を「賛成」に向かわせ、「大接戦」に導いたと考えられる。

 「改憲」の手続きを定めた、日本国憲法の改正手続に関する法律では、
テレビ・ラジオによるコマーシャルは投票日の2週間前から禁止(105条)となっているが、
一方で、国民投票は国会発議後60~180日以内に行う(2条)とされており、
言い換えると、最低でも1月半はテレビCMなどによる「物量作戦」が“可能”となっている。

 また、国民投票の“有権者”は18歳以上に「拡大」されており、テレビCMなどの影響を受けやすい若年層の比率も高まることとなる…。

 「国民投票」にまで持ち込まれた場合、「改憲」を否決することは、“至難の業”に思えてならない…。


■「都構想」否決でも遠ざからない「改憲」の危険性

 「都構想」否決により、参院選での「維新」の躍進、自・公と連携し両院で「改憲」発議、橋下氏と安倍氏のタッグにより「過半数」を得て「改憲成立」という、
「悪夢のシナリオ」スタートへの“点火”は、何とか今回は「免れた」が、
世論調査での「反対多数」から、まれに見る僅差の「大接戦」に持ち込まれたという、この“現実”を、
「現行憲法の堅持」を願う者たちは、しっかりと受け止めなければなるまい。

 「憲法改正」の跫は、もう、すぐそこに“顕在”したと考えるべきなのである…。 


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  • 最終更新:2015-05-19 00:01:06

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