国民からの「白紙委任」を目論む「アベノミクス解散」!?   成瀬裕史

■“解散”して問う「アベノミクス」の是非!?

「一体、何のために!?」
年の瀬が押し迫る中、多くの国民を困惑させた「アベノミクス解散」。
官邸HPの記者会見のテキストを見ても、
自らの経済政策「アベノミクス」が間違っているのか、正しいのか、他に選択肢はあるのか、国民に伺う「アベノミクス解散」だと明言しているが、
それを「解散・総選挙」で伺うべき事なのかどうか…?
また「アベノミクス」という正体不明で、その定義も判然としない経済政策、しかもその是非を問われても、「判断のつく」国民が、果たしているのだろうか…?

 はっきりしているのは、「平成29年4月から確実に消費税を引き上げることといたします」ということだけのように思われるのだが…。


■解散による政権基盤強化の先の“狙い”は?

 与党が大多数を占め、任期が残り2年もある今、解散に踏み切るというのは、どう考えても、自身の「政権基盤の強化」、
そして、それにより「強引に」でも実現したい「政策課題」があるからではないだろうか…?

 しかし、自民党HPにアップされた「政策パンフレット」を見ても、http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/pamphlet/20141121_bira.pdf
「経済再生・財政再建」「地方創生・女性活躍推進・少子化対策」「くらしの安全・安心、教育再生」「外交・安全保障」と
「ありきたり」の語句が並ぶだけである…。

 強いて言うと、各項目の後に「を、この道で。」との言葉が続いているが、
「この道」とは、「いつかきた道」すなわち戦前の政治体制「軍国主義」の復活では、まさか無いであろうが…。


■「総選挙」目前の「第三極」の分裂

 今回の「解散劇」の前にあった大きな「政治的」出来事といえば、「みんなの党」の“解党”であろう…。

 安倍政権に「秋波を送る」オーナー・渡辺喜美氏と、
野党共闘を目指す代表・浅尾慶一郎氏との「路線対立」が決定的になったようだ。

 また、「日本維新の会」でも8月に「次世代の党」が分離し、9月には「結いの党」と合併し「維新の党」となっている。

 “第三極”の中でも特に“ライト”なサイドの方々が、
歴代自民党政権の中でも飛び切り“ライト”な安倍政権に、いつでも「合流」できる体制が整ったように思われる…。

 その「合流」人数を少しでも多くしようと、ご本尊(?)の石原慎太郎氏は、82歳の老体にムチ打って、次世代の党・比例代表東京ブロックへの出馬を決意した…。


■総選挙後には「自・公」の決別!?

 もう一つの解散前の大きな「政治的」出来事といえば、沖縄県知事選であろう。

 「辺野古移設」に“変節”した現職の仲井眞氏が、「移設反対」の翁長氏に敗れたが、
「県外移設」を主張する公明党県本部が「自主投票」としたことも“一因”と考えられる…。

 中央政界においても、“ライト”な安倍政権での「重し」として、ある意味「期待されている」公明党だが、
消費税率10%引上げ延期に対し、山口代表は予定通り引上げを主張するなど、安倍政権としては「お荷物」となってきた“感”もある…。

 党綱領で「〈生命・生活・生存〉を最大に尊重する人間主義を貫き、人間・人類の幸福追求を目的とする」公明党は、
海外で「歴史修正主義者」と批判される安倍氏とは、本来「水と油」とも言うべきであり、
政策パンフで「この道で。」を主張する自民党・安倍政権とは、次の総選挙の後には「決別」も有り得るのではなかろうか…。


■“ライト”勢力の「再結集」を目論む!?

 第一次政権で「戦後レジームからの脱却」を掲げた安部晋三氏。
 その彼が再登板後、「政権基盤の強化」を図るため、「解散」という“伝家の宝刀”を抜いたのだとしたら、
その狙いは“ライト”勢力の「再結集」と考えるのが、ある意味「自然」なのかも知れない…。

 「歴史修正主義」に対する欧米メディアの厳しい“嫌悪”を踏まえてか、
我が国メディアでも「憲法改正」に対して否定的ニュアンスが支配する中、
余りにも稚拙過ぎた民主党政権の「敵失」で“大勝”した前回選挙は、
「民主党政権」に対する“不信任”であって、
「安倍政権」に対する“信任”ではないとするならば、
もう一度「憲法改正」を志す安倍政権の信任選挙として「解散・総選挙を決意した」と言うのであれば、
解らない訳もでないのだが…。

 そうであれば、「アベノミクス解散」とは言わず、
「憲法改正解散」と胸を張れば良いのではと思うのだが…。

 もしも、意味不明な「アベノミクス」の真の意味が「憲法改正」と言うのなら、それはまた別だが…。


■「安倍氏退陣」を目論む“誰か”が仕掛けた「解散」!?

 米・英をはじめとする先の大戦での「戦勝国」は、多くの血を流して得た勝利の代償として、日独伊枢軸国の“ファシズム”の復活、「歴史修正主義」は決して許さない。
 そうした中、欧米メディアから「歴史修正主義者」の烙印を押された安倍氏に対する、オバマ大統領はじめ米国政府の姿勢は極めて「冷淡」に見える…。

 そんなオバマ氏が9月の国連総会でクリミア併合を「戦後秩序への挑戦だ」と非難したロシアのプーチン大統領との関係構築を止めようとはしない安倍氏…。

 また、財務省の“既定路線”だった「増税・円高・デフレ」路線を、“バズーカ”黒田氏を日銀総裁に充て、「量的緩和・円安」路線に舵を切り、
もう一つの既定路線「消費税率引上げ」についても、早々に「先延ばし」を宣言した安倍首相…。

 ひょっとして“誰か”が、「政権基盤強化のための解散」をほのめかし、その実は「選挙敗北による退陣」を目論んでいるのかもしれない…。


■くれぐれも「政権への白紙委任」とはなりませんように… 

 いずれにせよ、“伝家の宝刀”は抜かれてしまい、2年前と同じく、年の瀬の12月に総選挙が実施される。

 “護憲勢力”にも、“米英”にも、そして“財務省”にも、ある意味「懸念」されているように思われてならない安倍氏だが、
“対抗馬”の野党が、民主党を筆頭に余りにも「頼りなさ過ぎる」ため、小選挙区の多くでは、自然体でいても自民の「圧勝」が想定されてしまう…。

 もしも、「過半数」に届かなかったとしても、「第三極」から分裂した“ライト”な勢力が、手ぐすねを引いて「合流」を目論んでいるとしたら…。

 今回の総選挙で、「安倍政権」に対する“不信任”を表明したいとする向きには、
現政権とは異なる政党・候補者への投票はもちろん、
別な勢力の“合流”による「政権基盤強化」も念頭に、
結果的に「現政権への白紙委任」とは決してなりませぬよう、くれぐれも「慎重な投票行動」をお願いしたい…。

 我が国を、決して、「いつかきた道」へは引き戻しませんように…!!


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  • 最終更新:2014-11-24 23:42:02

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