我が国の「10大課題」!? 求む、市民“論壇” 成瀬裕史

 年末恒例の「流行語大賞」や「今年の漢字」の発表が終わり、これからは年末に向け、新聞やテレビで「今年の10大ニュース」が発表される…。

 日本人の「ランク付け」好き(?)は江戸時代も同様で、数多くの「番付表」が当時のメディア「瓦版」で発表されていたという…。

 そんな日本にあっても、政治課題等についての「ランク付け」は、聞いたことがない…。(「総理にふさわしい政治家」等のアンケートはよく実施され、先日、JNNが行ったアンケートでは、現職の安倍氏の13%に次いで「嫌われ者」(?)小沢一郎氏が10%の2位となって話題を呼んだが、いつの間にか「1%」に訂正され、ネット上では更に「話題」となったのだが…)

 本来、「国民主権」の民主主義国家であれば、国民は、何を「政治課題」としているか「民意」を問い、優先順位を付けていくのが、「政党」かつ「メディア」の役割だと思うのだが、 我が国では、逆に、重大な「政治課題」ほど、「メディア」が政府の片棒を担ぎながら「特定秘密」のように、主権者・国民に「知らしめぬ」よう努めているように思えてならない…。

 そんなわけで、「年末恒例10大ニュース」にならい、我が国が直面する「10大課題」について、私なりに「ランキング」してみた…。 

1.「原発事故」

 「収束」などしていないし、「コントロール」などされていない。
“高濃度”の汚染水は「メルトダウン」した炉心の核燃料が地下水に「接触」し始めた兆候ではあるまいか?

 これから、やって行かねばならないことは、
(1)放出された放射性物質からの国民の健康被害の防止、
(2)燃料プール内の燃料棒の撤去、
(3)大量の汚染水流出を防ぐための地下水脈の遮断、
(4)4~6号機の廃炉着手、
そして、それからやっと
(5)世界の叡智を集めた1~3号機の廃炉着手、
であろう…。

 その行為は、バランスシートを見ながら費用をケチる(?)東電任せでは不可能である。
 国家事業として、国家の責任で行うしか、実行は不可能であろう…。

2.「TPP」

 端的に言うと“米国流グローバリズム”に飲み込まれるか否か、ということ…。

 郵貯を中心とした国民の金融資産、年金運用、医療保険を、「米国金融資本」に売り渡すかどうか…。

 その他にも「ISD条項」の“保険付き”で、「米国資本」を国内市場に参入させるかどうか…。

 国内雇用者の「競合先」である中南米・東南アジアの「安い労働力」を活用しやすくするかどうか…。

 結局、グローバル資本の利益を「極大化する仕組み」を如何に作るか?ということであり、我々、一般国民にとっては、「賃金を減らされる」とともに、企業利益が大きく乗った「高い買い物をさせられる」ということ…。

3.「外交」

 考えてみれば、我が国・日本は、米国の「ペリー来航」で近代のみ幕を開けて以降、日清戦争、日露戦争、そして太平洋戦争と、米国、中国、ロシアの「三大国」と、外交も含めた“戦い”を繰り広げてきた。

 そして現在、「対中」関係が“最悪”である…。

 現在、米国にとっては、中>日>露、
中国にとっては、米>露>日、
ロシアにとっては日>中>米、
そして日本にとっては、米>露>中であろうか…。

 そんな中、「対中」の牽制には、「対露」、更にはASEAN諸国との関係強化が必要ではあるまいか…。

 「対米」に配慮しながらも、したたかな「自主外交」を進めてもらいたいものではあるのだが…。

4.「消費増税」

 現在、財政赤字の深刻化は、我が国はもちろん欧米先進諸国共通の課題となっている。

 グローバリズムの進展で、納税者たる国民の賃金が低下し失業も増える中、高所得者層との格差は拡大する一方である…。

 そんな中、我が国の政府は、高所得者層の税率を上げるのではなく、低所得者層ほど負担の重くなる「消費税」を、次々と引き上げようとしている…。

 更には、祖父母から孫、親から子といった直系の家族に教育資金を贈る場合、受け取る側1人につき最大1500万円が非課税となった…。
 幼稚園から大学まで私立の場合、2000万円以上かかるというが、我々庶民は、国公立大に進学させても「教育ローン」である…。

 消費税を10%に上げる際の「軽減税率」の導入が議論されているが、それより先に、贅沢品の「税率アップ」の方が先ではないだろうか…!?

5.「暮らし」

 以降、中長期的課題をあげる。

 本来、「経世済民」(世を経(おさ)め、民を済(すく)う)こそが、「政治」の根源的な「目的」である筈である…。

 しかし、昨今の我が国の「政治」は、「世を乱し、民を苦しめる」ように思えてならない…。

 「グローバル経済」に乗っかって「輸出」を増やしていこうとすれば、国内労働者の「低賃金化」や生産拠点の「空洞化」は避けられない。

 しかし、それは、「民を苦しめる」ことにしかならないのではなかろうか…?

 トヨタの自動車生産が「世界一」となり、輸出が“回復”したというが、それで我が国の税収が「飛躍的に伸びた」とは聞かない…。

 「リーマンショック」時、我々「苦しむ国民」の負担による「エコカー減税・交付金」で、苦しい時を「助けた」覚えはあるが…。

 そろそろ、「輸出」よりも「国内消費」に眼を向けていくべきではなかろうか…。

 そして、そろそろ、「グローバル経済」に苦しむ「先進諸国」が手を取り合って、その仕組みに「修正」をかけるべきではなかろうか…?

6.「政治家」

 「地盤」「看板」「カバン」とは言うが、「世襲」「秘書」時々「タレント」でいいのだろうか…?

 最近は「官僚」上がりも、“クエッション”のような気がするが…。

 我が国は「議会制民主主義」の国であり、「総理」を選ぶのも、「法律」を作るのも、国民から選ばれた「議員」である。

 その「議員」を国民が選ぶ「選挙」の際、候補者名簿に「誰も入れたい人がいない」としたら…。

 「世襲」「秘書」「タレント」「官僚」以外の“選択肢”を、我々「主権者」国民が、そろそろ作り出さなければならないのではなかろうか…!?

 例えば、「シンクタンク」で政策を磨き、市民と手を携え自治体に「まちづくり」の提言をし、その自治体の「議員」「首長」を経て、「国会」へ、というような、我々の「主権」を託す相手として足る「議員」への道を…。

7.「官僚」

 「明治維新」以降、我が国の強固な「官僚制度」は、先の大戦での「敗戦」に拘わらず「生き延びた」ようだ…。

 とはいえ、東大法科を中心とした、「同質の者」達が、事実上、我が国の「実権」を握っている…。

 「制度疲労」なんていうものではない…。

 特に「人事」を「官僚」が握る以上、その「同質性」イコール「制度疲労」は、永遠に続く…。

 それは、文字通り、我が国・大企業にも蔓延する「官僚主義の弊害」そのものなのだが…。

 せめて、他の“先進国”並みに、人事は「官邸・内閣」イコール「政治家」が握り、政権が変わる度、事務次官以下の幹部は「辞職」する仕組みが必要ではなかろうか…。

8.「司法」

 前述の「立法」「行政」の担い手が“不安”な中、「司法」はどうだろうか…?

 その“担い手”が、上ばかりキョロキョロと伺う「ヒラメ裁判官」と揶揄されているようでは、“前途多難”である…。

 それにしても「推認」はないであろう…!?。

 裁判官が「世間の風評」を気にし出したら、「リンチ」と同じである…。

 「日本国憲法」に則り、「最高裁事務総局」から“独立”してもらいたいものなのだが…。

 裁判官を「公務員」にしないためには、「弁護士」経験者からの“任用”が不可欠ではあるのだが…。

9.「メディア」

 前述のとおり、頼り無いばかりの「三権」ではあったが、「第四の権力」である「報道」「メディア」はいかがであろうか…。

 大丈夫であれば「大本営発表」などと揶揄されないのだが…。

 それにしても、現在の報道は、警察・検察も含め「行政発表」が多すぎる…。

 「事故」「事件」や、官僚の決めた代わり映えのしない「政策」を垂れ流しても、だれも喜ばない…。

 しかも、我々の「情報源」である筈の「メディア」に、「フィルター」や「バイアス」が常にかかっているとしたら…。

 我々は、「何を頼り」に、「何を信じて」いけばいいのだろうか…。

 少なくとも「記者クラブ」(ごっこ?)からは、早々に“卒業”してもらいたいものだが…。

 更には、「公器」たる「マスメディア」の株主は、すべて「公開する」ことが必要なのではなかろうか…!?

10.「統治構造」

 結局は、我が国の“四権”たる、「立法」「行政」「司法」「メディア」とも、「信頼に足る」とは言い難く、しかも、「何者か」に、すべての「糸を引かれている」ようにしか思えないのは、私だけであろうか…。

 結局は、「メディア」が事件・政局報道に終始し、「主権者」国民に「政策判断」に足る「情報」を提供されないが故に、知名度だけの「世襲」や「タレント」議員が“跋扈”してしまう…。

 多分、我々「有権者」が磨かれない以上、「議員」の資質も上がってはいかないのであろう…。

 そんな「議員」の資質が低いから、「官僚」の天下は続き、“東大法科”同門の最高裁事務総局とともに「司法」をも牛耳っているのではあるまいか…。

 そしてまた、その警察・検察を含む「官僚」が「メディア」を牛耳っている…。

 となると、我が国を「統治」しているのは“東大法科”同門の「官僚」なのであろうか…?

 しかし、我が国の「官僚」機構は、それが生まれた「明治維新」以降、「欧米列強」を手本としてきた…。

 特に、「維新」のきっかけとなった、「黒船」を派遣した国に…。

 しかも、我が国は「その国」に、60数年前の一期間、有史以来初めて「占領」されたのである…。

 そろそろ、「官僚」なのか「政治家」なのか、我々主権者「国民」なのかは知れないが、“その国”に「従っていさえすればよい」との“前例踏襲”を、「やめる努力」を始める時が来ているのではなかろうか…。

■求む、市民“論壇”!!

 そんな、我々「主権者」を“啓蒙”してくれるような「論壇」が、私は欲しいのではあるが、世のメディアの「論壇」は、“ライト”な立ち位置ばかりが目立つ…。

 「市民」による「市民目線」の「論壇」が、私は欲しかったのであるが…。

 その可能性を、私はこの「JANJAN」に見出していたのであるが…。

 その「JANJANニュース」は「JanJanBlog」を経て、今年一杯で、消えようとしている…。 


  • 最終更新:2013-12-30 01:45:11

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