知らないうちにプライバシー情報が収集され続ける日本:能村哲郎


 2013年末、百度(バイドゥ)製の日本語入力ソフト「バイドゥIME」を使うと、文字情報が無断で同社のサーバーに送信されることが発覚した。プライバシー情報を無断で収集する、極めて問題のある行為である。

 今も、ユーザが知らないうちに、多くのプライバシー情報が収集されている。「スマートフォンのアプリケーションソフト(下記アプリ)」と「検索サイト」におけるプライバシー情報の収集について簡単にまとめてみた。

スマートフォンのアプリでは?

 スマートフォンは、2013年9月末に契約台数が5,015万件(*1)を超える等、身近な電子機器となっている。スマートフォンは、使っていないのに、データ通信量が増えていることがよくある。スマートフォンにインストールされたアプリが、サーバなどの外部機器に、プライバシー情報を含むさまざまな情報を送っているからである。

 例えば、LINE株式会社のスマートフォン向けLineアプリ(*2)は、日本だけで1000万台以上にインストールされている人気のアプリである。しかし、Lineアプリが、Lineサービスのために、アドレス帳・通話履歴・位置情報・アカウント情報などのスマートフォン内のプライバシー情報を収集し、同社のサーバに送っていることはあまり知られていない。プライバシー情報が送られることは、Lineアプリをインストールする際に「必須の同意事項」として、ユーザは「同意」している。しかし、どれだけのユーザが、プライバシー情報が送られていることを認識しているのであろうか?

 他のアプリでも、サービスのためと称し、プライバシー情報の収集が行われている。スマートフォンを利用する限り、プライバシー情報は収集され続けるだろう。


検索サイトでは?

 多くのwebページでは、ユーザに合わせてweb広告が表示されるようになっている。JANJAN Blogにおいても、web広告が表示されているが、それにはGoogle Awardsというサービスが用いられている。

 Google Awardsとは、性別や年齢、興味・関心を推定し広告を表示する、Google社のサービスである。広告設定(*3)において、Googleが自分をどう推定しているかを知ることができるが、正確で驚かされる。

 なぜ、正確に推定することができるのか?Googleプライバシーポリシー(*4)によれば、ユーザの「検索したワード」や「閲覧したページの内容・回数・日時」「所在地」のほか、どういったソフトを使っているか等の「イベント情報」さえも、収集しているからだ。しかも、それらのプライバシー情報収集は、簡単に止めることができない。

 また、「Yahoo!Japan」や「MSN Japan」などの他の大手検索サイトも、プライバシー情報を収集することを公式サイト(*5)(*6)に明示している。

 各社のプライバシー情報収集は、「サービス提供のため」と称しながらも「ほとんどの人に知られない」うちに、「cookie」や「匿名ID」などの技術を用いて、体系的かつ巧妙に行なわれている。インターネットを利用する限り、プライバシー情報の収集から完全に逃れることは難しい。

まとめ

 このように、サービスを提供するためと称し、民間企業によって、知らないうちにプライバシー情報が収集されている。特定秘密保護法などによって、政府からも、プライバシーが監視される時代が訪れようとしている。

 カナダのクイーンズ大学社会学部教授であるDavid Lyon(デイヴィッド ライアン)氏は、著書「監視社会」(*7)の中で、「情報社会においては、政府や民間企業によって、個人データが収集・処理され続け、個人の行動が統御される可能性がある」と指摘した。彼の指摘した社会が、まさに出現しようとしている。

 そのような社会にしないように、市民から情報を発信する「市民記者のページ」等のソーシャルメディアは、政府や民間企業をただし、健全な社会の発展を促していくことが必要ではなかろうか?


参考資料

*1:株式会社MM総研 スマートフォン市場規模の推移・予測(2013年10月)

*2:LINE(ライン)無料通話・メールアプリ

*3:Google広告設定

*4:Googleプライバシーポリシー

*5:Yahoo!Japanプライバシーポリシー

*6:MSNのプライバシーに関する声明

*7:David Lyon著 河村一郎訳 「監視社会」 青土社 2002

2014年1月2日出稿
(文責:能村哲郎)

  • 最終更新:2014-01-04 17:09:14

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